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泣く子も爆破!黙る子も爆破!我らボマーズ海賊団!
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爆弾を愛する全ての狩人へ送る主にMHのブログ  (c) CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
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第1話 「爆弾のような男」
人に過去あり、モノに謂れあり、ボマーズ海賊団に歴史あり。
この世の何事もいきなり存在しているわけではない。
帆を進める大海も、もとをただせば遥か山野に降り注ぐ一粒の雨粒であるように、森羅万象何事にも始まりがあり、そして、始まったものには必ず終わりがある。世界に果てがあるように。ラムの瓶が空になるように。
例外は無い。
あるのは、早いか遅いか、という程度の微々たる違いのみ。
さて。
力強く明るく輝くローソクが、ひときわ早く燃え尽きるように、
例え彼らの活躍が、その輝きゆえとても短く、ほんの刹那で終わりを迎えるとしても。

それでも始まりを語らずに、終わりは語れない。

森羅万象全てがそうかは知らないが、物語とはそういうものだ。
では行こう。
これより語るは、ボマーズ海賊団始まりの物語。
誰もがまだボマーズ海賊団ではなく、ドンドルマがまだ活気に溢れていたあの頃、何かが始まる予感で狩人たちの心は満たされてはいるものの、それゆえに、何も始まっていない、そんな時代に生きたひとりの「男」から物語は始まる。
しかし、断っておくがこの男、現代に生きるボマーズ海賊団の船員の誰でもない。
森羅万象全てがどうかは知らないが、物語とはいつも、少し意外な所から始まるものだ。

247、****THC、そしてちょり。
彼を呼ぶ名はいくつもあれど、皆に知られるその風貌はいつも大体、同じようなものだった。
言ってみれば金も素材もろくにいらない駆け出し防具。そして、攻撃力だけが多少まともな安ハンマー。
生まれた地方の村で長い間腕を磨き、経験を積み、準備万端、意気込み勇んでこのドンドルマへやってきた俺とはまったく正反対ということだ。
……正直俺が月なら、さっきからテーブルの向かいで際限なく酒をかっくらっているこの男は間違いなくスッポンだろう。
「まったく、ついてねえ……」
俺は深く被った鍔広の帽子の下で悪態をついた。
小さな個体とはいえ、伝説とまで言われる「姿を消す古龍」の素材で作り上げた自慢の防具は、俺の気配を希薄にする機能を備えている。つい出てしまった悪態も、男には聞こえていないだろう。……酔っ払ってるし。
たしか、「ちょり」とかいう名前だったか。ふざけた名前通りのふざけた野郎だ。
「おい、黙っちゃってよォ!もう酔っ払ったのかァ?」
「……飲んでねえよ」
赤ら顔でハンマーに寄りかかりながら、ちょりが話しかけてきた。
装備も、その狩人の強さを表す指標である、ギルド認定の格付け「ハンターランク」も明らかに上の相手に向かって、ちょりは出会った瞬間から臆すことなく話しかけてくる。
街では一歩間違えば礼儀知らずの烙印を押されかねないその態度も、ちょりの道化のようなふざけた見た目が手伝ってか、不思議と腹は立たなかった。
生まれ持った才能なのか、それとも、ただ単に神経が図太いだけなのか。
「おいィ、まさかお前ビビッてんのかあァ?……ヒック。ダセェー」
確信した。間違いなく後者だろう。
「ビビッてなんかいないって。ただ、二人じゃあ倒せるかどうかわからないだろ?」
「やってみねェうちからそうやってあれコレ考えてんのがマジビビッてるッつゥのー。まさかその武器得意とか言ってたのも、全部嘘かァー?マジダセェー」
ちょりは俺の背中の、巨大な武器を指差した。フラフラして指の位置は全然定まらないがおそらく指差した。
「おい……。今ここで試してみるか?」
俺は背中のガンランスと呼ばれる中折れ式の銃槍を引き抜く。重たい金属音が大衆酒場に響き、槍の先端の銃口がちょりを捉えた。
今回の一言は、さしもの俺も気に障った。狩人という職種の人間は大体がそうだろうが、元来俺も温和な方ではない。
何よりこのガンランスは俺のお気に入りの武器だ。これもまた、奇跡的に討伐に成功した「ナナ・テスカトリ」という「古龍」の素材から作られた逸品で、ナナ・テスカトリの体色と同じ綺麗な蒼色が塗られた銃身には、強い火力を備えている。
ガンランスは、ギルドにより最近考案された新しい武器らしく、扱うのにクセがあり、街ではガンランス使いの狩人はまだ珍しいようだった。
威力は高いものの、砲撃の際に仲間を巻き込んでしまうこともあり、そもそも新入りにふさわしい武器ではない。「ガンランスお断り」と仲間募集の用紙に書き込んでいるチームすらあるほどだ。
だが俺は、ずっとこの武器のみで狩りを続けてきた。この街でそれが敬遠されていようと他の武器に乗りかえるつもりも無い。
経験と、誇りと、街の新入り狩人の誰よりもガンランスを上手く扱える自信があった俺は、堂々とガンランスを背負って今回のクエストを受注し、そしてちょりは、そんな「変わり者」のガンランス使いの実力の程が見たいという理由で俺の募集に乗ってきた、というわけだ。
加えて言えば、ちょりのほうは最初やってきたとき、なんとほぼ全裸だった。頭に「ネコの顔を模した」着ぐるみのような風変わりな防具(?)だけを着けていたものだから
「こいつ、頭がおかしいのか?」
と、俺は本気で思ったものだ。どうせ、あんな着ぐるみにたいした機能も無いだろう。
追い返そうとしたのだが、装備は他にもちゃんとあると言い張るので、多少期待して着替えを待ってみたところ、これも取るに足らない安物装備だったというわけである。
そして、そんな二人組みだからなのか、俺の張り出した募集に乗ってくる狩人は、それ以上、誰一人として現れなかったのだ。
それとも、獲物が「リオレイア」だということも関係あるのだろうか?
リオレイアは、俺も何度か倒したことのある飛竜だ。確かに高い攻撃力と灼熱のブレス、くらえばどんどん体力が奪われるという、厄介な「毒」を体内にもつ恐ろしい相手だが、古龍に比べれば、まだ楽に討伐できる獲物だ。
だが、それは俺の生まれた村近辺の地方での話。
街での幾度かのクエスト(初心者向け)を経験して、この辺りのモンスターが俺の出身地方とは比べ物にならないほど強靭だということは、ひしひしと肌で感じていた。
村では動きに注意すればたいして脅威にならなかったヤオザミですら、この近辺のヤツは異常に体力が高すぎて動きを止めることが難しい。散々てこずり、飛竜のブレスを機械的に模した「龍撃砲」といわれるガンランスの必殺技まで使って、やっと倒したのが昨日のこと。
村とここ、ドンドルマでは、同じ種類のものでも、全くの別モンスターと考えたほうが良いようだ。仲間を募って狩りに出かけるというシステムがあるのもうなずける。
まして、飛竜リオレイアともなれば……、
少なくともこんな弱そうなやつと二人で倒せる相手ではないだろうと俺は踏んだ。だからちょりが痺れを切らせて酔っ払い、俺に絡んでくるまで、クエストに出発しないで仲間となってくれる狩人の出現を待っていたのだ。実際のところちょりは飲まずとも最初から絡んできていたが。
まあ、もういい、ともかく。
さすがの俺もいい加減、火炎袋の……じゃなかった、堪忍袋の緒もきれたというもの。
リオレイアに食らわす前に、まずお前に砲撃を食らわせてやるよ、ちょり。

穏やかじゃない俺達の様子にさすがに大衆酒場はザワつき、空気が張り詰める。
だが、街を訪れたばかりの新入り狩人が集うように割り振られたこの酒場には、夜も遅いせいか、今は客が数人しかいなかい(そもそもこんな時間に募集を出したのが間違いだったと今気付いた)。
ちょりのちょうど後ろ側のテーブルには、本当かどうか疑わしい、たいそうな自慢話を肴に日がな一日中飲んだくれているだけ(しか、俺は見たことが無い)の「赤鬼、黒鬼」と呼ばれる二人組のハンターがいるが、もちろん、俺の素晴らしい装備に臆したのだろう、止めに入る気配は一切無い。なぜならあいつらの装備もまた、ちょりのそれと同様、素人が簡単に揃えられる程度の安価なものだからだ。自慢話の類もそれで簡単に嘘だと知れる。

殺気のこもった銃槍を突きつけても、ちょりの野郎はのんきにあくびなぞかまして余裕の態度だ。
俺は冷徹に冷静に、狙いをその間抜けに開けた口の中に定めた。腕を引き、槍を撃ち出す力を引き絞る。
「ちょっとぉ!街中での武器使用は禁止事項ですっ!」
酒場の給仕の女が勇敢にも俺とちょりの間に割って入る。その動きは意外なほど鋭いもので、反応できなかった。もしかしてこの娘もまさか、ハンターなのだろうか?
「ハァー。これだから新入りは困るのよね。地方でどの程度活躍したかは知らないけど、狩人の自覚ってものが欠けてるんじゃあないかしら?」
「くっ」
娘の動きに驚いていたのと、その言い分が確かにもっともなのとで、俺は一瞬言葉を失う。そしてそんな俺の様子を見て、なんと娘の向こうのちょりが「シシシ」と笑いやがったのだ!
もォォォォォォッ許せんッ!死ねェえェッェェェ!!
「ちょっと待ってってば!」
娘のまたもや予想外な威圧力のある大声で、俺の動きは再び止められてしまった。なんなんだクソッ、少しは言い返してやる!
そう思って娘の顔を睨みつけると、娘は今度は打って変わって満面の笑みをうかべて俺を見つめ返してきたのだ。三度、止められる。……ただモンじゃねえ。
「どうしても決着つけたいなら、あちらで」
娘が優雅な仕草で向けた手の方向には、一つの大タルがおいてあった。その意味は明らか、腕相撲で決着をつけろということらしい。
娘に馬鹿にされている気持ちはもちろん感じたが、もっと俺のことを馬鹿にしているヤツがその向こうで相変らず笑ってやがるのを早急に何とかしようと俺は決めた。
それに腕相撲というのは、狩人同士の力比べとしてよく行われる、正式な勝負の場でもある。
俺も、ガンランスを使うくらいだ、もちろん力には自信がある。村では2倍以上はあろうかという体格差の船大工の親方を負かした経験もあった。

ちょりめ、笑っていられるのも今のうちだ、腕の骨折の痛みで泣き面かくなよ?かくのはほえずらが正しいのか?もう怒りでよく分からん。


「じゃあ両者、条件は?」
タルに向かい合った俺達に娘が聞く。
いつのまにか酒場の空気も、俺達の勝負を肴に一杯飲もうという様子に変わっていた。賭けをしている声も聞こえる。赤鬼と黒鬼は、どっちも俺に賭けたようだ、当然だろう。
あいつらに儲けさせるのは悔しいが、賢明な判断だ。
「酔っ払いに勝っても嬉しくないが、俺が勝ったら、さっさと此処から消えてくれ」
俺はクールにちょりに言い捨てた。歓声が起こる。ちょりの様子はと言うと、目の焦点が定まってねえ。野郎聞いてんのかァ?
「じゃああなたが勝ったら?」
酒場の娘が向こう側へ倒れそうなちょりの袖を掴んでタルに引き戻した。女にも軽く引っ張られるほどのその細腕を、思いッ切りブチ折る未来の俺の映像が脳裏に過ぎる。
今まで気付かなかったが、俺にはどうやら予知能力があったらしい。
「もちろん……ヒック、ウィィ」
早よ言えこの酔っ払い。
「俺が勝ったら、俺達二人だけでリオレイアを討伐だァー!」
……。またそれか。酒場の歓声は一際大きなものになった。死にに行くような条件を自分で出したちょりを笑っているに違いない。
「困難な相手に立ち向かうほど、ヒック、燃えるだろォー??ちょりーん!」
勇気と無謀を履き違えているとはこの事だろう。
間違いなく早死にするタイプだなお前、なにがちょりーんだアホか。
だが、今回は安心しろや、どんなにアホがアホな条件を出しても、それは実現しないと俺のキングクリムゾンエピタフが言っている。何の話だ?
「よーし、じゃあいいわね。READY……」
ようやっとタルに肘を乗っけたフラフラのちょりの手を俺は思い切り握ってやる。おい、勝負はすでに始まっているんだぜ?このまま先に手の平の骨を折ってもいいなフフフ。妄想を膨らませながら握力を強めていっても、ちょりの右手は相変らず、全然力がこもっていない。どこまでも舐めたヤツだッよーし死ねッ!腕相撲ではじめて人を殺すぜ!!

「FIGHT!!」

娘の掛け声に覆いかぶさるように酒場中から歓声と怒号が響く。
その声を脳のどこかで聞きながら俺は、溢れんばかりの怒りと渾身の力の全てをちょりの右腕の尺骨めがけてねじ込みながら「空中を二回転していた」。

そして一時間後、俺達二人は約束どおり、リオレイア討伐へと出発したのだった……。

つづく。
by bombers-pirates | 2007-12-21 00:06 | ボマーズヒストリー
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