泣く子も爆破!黙る子も爆破!我らボマーズ海賊団!
船長 「大タル」のスクージ! 参謀 爆雷神レン! 暴れん坊本屋さん サクヤ! ??? 爆弾に「敬意を払え」ッ!

爆弾を愛する全ての狩人へ送る主にMHのブログ  (c) CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
by bombers-pirates
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

お気に入りブログ
リンク
カテゴリ
タグ
twitter
以前の記事
検索
その他のジャンル
Skypeボタン
ライフログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

カテゴリ:ボマーズヒストリー( 13 )
第300話 決意の朝
煙草のヤニで茶色く薄汚れた木製の壁。
長年使い込まれたボロ雑巾のような海図は無造作に
床に放り出されている。
4つ足の四角いテーブルに、ロッキングチェアー。
草食竜の骨で出来た、もとは白いであろう浅黄色の
テーブルの上にはクレンザイトを加工して作られた
煙草ケースが置いてある。潮風に当てられて所々
錆付いてはいるが、そのテーブルと妙にマッチしていた。
壁には青白く光るライトのようなものが掛けられているが、
どうやらガラスの瓶に雷光虫を生きたまま入れた物を
ライト代わりに使っているようだ。
ロッキングチェアーには、ブロンドの長い髪の女が
座っていて、脚をテーブルに放り出し、まるで子供の
様にぐらぐらと椅子を揺らしながら煙草をふかしていた。

More
[PR]
by bombers-pirates | 2010-03-25 00:44 | ボマーズヒストリー
第100話 「新章」
むかしむかし、あるところに、ネコを模したヘンテコなかぶり物をかぶった船長が率いる海賊団があった。
彼らは、海賊と名乗りながらも、その略奪行為はほぼ地上で行い、略奪するのも、当時地上に人間以上に跋扈していた多くのモンスターであった。つまりは「略奪」ではなく「狩猟」をしていたのである。
狩猟をして生計を立てる海賊団、これだけでも彼らは十分特異ではあったのだが、その狩猟の仕方がさらに特異であった。
どういう狩りの仕方であったかは、彼らの海賊団の名前を知ればわざわざ語る必要もない。

名を、ボマーズ海賊団という。

More
[PR]
by bombers-pirates | 2009-01-14 14:46 | ボマーズヒストリー
第153話 蒼空を舞う豪雷 後編
ボマーズ海賊団の三人は、未開の地、峡谷へ来ていた。

峡谷の天気は至って良好。空を見上げれば一片の雲も無い見渡す限りの蒼空だった。
確かに晴れていれば一般的に天気はいいとされるが、ボマーズ海賊団にとっては何より、肝心の爆弾が使えるかどうか、天気の判断の基準はそこであった。
c0158449_239397.jpg


           More
[PR]
by bombers-pirates | 2008-12-21 03:20 | ボマーズヒストリー
第152話 空を舞う豪雷
切り立った崖、広がる赤銅色の乾いた大地。
谷間を窮屈そうに吹き抜ける風が時折、突風となって狩人の行く手を遮る。これまで見たこともない植物。クーラードリンクが必要なほど暑くもなく、ホットドリンクが必要なほど寒くもない。
ただ、気になるのは乾ききった空気が少々喉の潤いを奪うことくらいだ。

ここは峡谷。ボマーズ海賊団の三人は今、この地に降り立っていた。
c0158449_1118461.jpg


More
[PR]
by bombers-pirates | 2008-12-20 03:51 | ボマーズヒストリー
第99話 「出会い・繋がり」
きっと、一万年後の世界には、自分がこの世界にいた証なんて、何も残ってはいないだろう。
私が死んで100年もすれば、私のことを覚えている人間なんて、誰もいなくなっているだろう。
だけど、悲しくはない。
たしかに、さびしい思いはある。
しかし今、この瞬間に、誰かのことを思い出せれば、誰かに思い出してもらえるなら、それで十分だ。

More
[PR]
by bombers-pirates | 2008-07-22 23:49 | ボマーズヒストリー
スピンオフ 「The first bullet ―Reloaded heart―」


別れた者は出会わなければならない。学んだ者は教えなければならない。
弾を撃ち尽した銃砲は、再装填されなければならない。
何度もその様に繰り返さなければ到底、我々人間は飛竜になど勝てはしない。


More
[PR]
by bombers-pirates | 2008-02-23 03:40 | ボマーズヒストリー
第5話 「昔話」
人との出会いの記憶とは、往々にして古いものになればなるほど、はっきりと思い出せないものが多くなります。
日々色んな人に出会うわけですし、出会った時に、まさか今日まで付き合いが続くことになるとは夢にも思わなかった、っていうのがほとんどでしょう。印象に残る出会いなんて、そうそうあるものでもないですしね。

これからお話させていただきます、ある出会いも、そういった平々凡々な出会いの中のひとつにすぎません。しかし、一年半以上経った今でも、はっきりと思い出せるのです。
そう、これからお話させていただくのは、私「サクヤ」とボマーズ海賊団との出会いの物語です。先に断っておきますが、取り立てて特別な事があったわけでもありません。興味のない方は読み飛ばす事をおすすめします。それでも見たいという奇特な方のみ、そのお目とお耳にいれたいと思います。

それでは、開演させていただきます。

More
[PR]
by bombers-pirates | 2008-02-07 17:48 | ボマーズヒストリー
スピンオフ 「こんなところで死ねるか」
青い空、青い海、緑生い茂るこの密林は、年中穏やかな気候に加え、天の恵みであるスコールによって、生命あふれる生き物の楽園である。


「オレはここの王者だ。」

食物連鎖の頂点。自分の気まぐれで他の命を奪うことができる特権を与えられている。当時の未熟だった自分はそんな思い上がりをしていた。


その日はとても天気がよく、散歩するのもいいかと思わせるような陽気だった。陽気のせいで、一方的に命を奪う狩りだけじゃなく、狩られるかもという刺激があってもいい、なんて思ったのかもしれない。そういう刺激も一方では求めていたのも事実。あの日のオレは滅多にいかない崖側の方に気持ちが向いた。

このあたりは最近、大きめの獣人族が出るらしい。よく一緒に狩りをしていた仲間のハンターがそう言っていた。そう言えば、しばらくそのハンターは見ていない。もしかしたら、うわさの大きめ獣人族とやらにでも狩られたか。オレにとっちゃどうでもいい事だがな、そう思いながら欠伸をひとつ。気の緩みを締めるには十分すぎる気付け薬が飛んでくるのも知らずに。

その直後だった、自慢の耳をもがれたような凄まじい衝撃。「音」と一言で片付けてしまうには、規模が違いすぎる。気が遠くなりながらも、背後から何かが迫ってきているのが分かった。ちっ、うわさをすればなんとやらか、だが不思議と心躍った。求めていた戦いの始まりだ!

気を持ち直し敵を確認した。たった一匹のやけに頭が大きな獣人族だった。何をされたか分からないが心の底から湧き上がってくる怒り、この殺意を思いっきりブツケテヤル!その後は、無我夢中で走り回ったし、自分の出来うる限りの攻撃を繰り返した。だが、頭の大きさのせいでバランスの悪いその獣人は攻撃こそしてこないが、ヒラヒラフラフラとこっちの攻撃を避け続けている。
ここじゃ広すぎる。逃げる場所があるから避けられるんだ。そう思い、海岸線の方に移動した。あそこなら逃げる場所も少ないし、追い込みやすい、そう考えていた。

今から思うとあれは罠だった。
海岸線には見たことのない不思議な物体が置いてある。その近くにはさっきまで戦っていた獣人によく似た奴もいる。仲間か?獣人の近くに降り立ち、さっきの奴と合流される前にすぐに殺してやろう。だが、その思いは間違いだと数秒後に気づく事になる。足元にあるその不思議な物体を近づいてきた獣人が蹴った。その瞬間、不思議な物体から、もの凄い光と音と衝撃が飛び出してきた。

さっきの衝撃とは比べ物にならない衝撃。痛みのせいで体も動かない。「センチョウ」と仲間に呼ばれるさっきの獣人も合流し、2匹の獣人は、不思議な物体を不思議な掛け声と共に次から次へと使ってくる。舞い上がった煙のせいで前も見えない。いや、見えないのは片目がつぶれたからみたいだ。オレはここで死ぬのか・・・・歩くことすらままならない。足をひきずり逃げようとした。「こんなところで死ねるか」

すると、なぜか2匹の獣人は攻撃をやめた。「オカシイ」とか「ゲンエイバクダン」とか言っている。なぜかは分からないがせっかくの逃げるチャンスだ。無様で屈辱的だが、生きてやる。オレはまだ死にたくない、生きて、次は殺してやる!


~数ヵ月後~


どうやら、あの獣人は「ニンゲン」という生き物らしい。そして忌まわしき、あの不思議な物体は「バクダン」というものだ。

あれから色んな事を経験し、色んな事を知った。沢山のニンゲンを殺したし、力も得た。今ではあの時負った目の傷は、オレの勲章でもある。ピンクから紫色に変色したこの硬い皮膚。そして毒を持つ尻尾。多くの修羅場を乗り越え、新たに手に入れたこれらの武器で、きっと今度こそ・・・・晴れた日は目がうずく、この目のうずきを無くすんだ・・・・

ずっと、密林を離れなかった。雨の日にだけ出て行けばバクダンを使えないことも知っている。さあ、こっちは準備万端だ。「こいよ、4人でも相手してやるぜ!」

忘れようもない、猫を模したかぶりものをしたフザケた格好の4人組を見ながら、そう叫んだ。
[PR]
by bombers-pirates | 2008-02-06 16:32 | ボマーズヒストリー
第2話 「お前がやるんだよ!」

「マツリダゴッホは有馬強いんだってのは知ってたんだけど、雨降ったからさー」
勝者の語りは伝説になり、敗者のそれは聞き苦しい言い訳でしかない。
そんな事言っても後の祭りだゴッホ!

そんなこたあ分かってる。

もちろん俺は言い訳などしない。だからこそヤツの勝利を認め、黙って言い分どおりにこの密林まで、リオレイア討伐にやって来たのだ。
負けは負け。絶対に言い訳はしないのが俺の「男の美学」。だが、コレだけは言わせて欲しい。
「ガンランスを『右手で』ふるってさえいれば、絶対に腕相撲でちょりなんかに負けたりしなかッたッツ!!」←言い訳。
そう、よく考えればガンランス使いの俺が、激しいクエストで常日頃鍛えていたのは左手だったのだ。腕相撲は右なのに。
まったく、何処の誰かが決めたかは知らないが、なぜ「左手」なのか……。盾は急所を守るべきという観点から言っても、右手でガンランスを持つのが正しいと思うのだが。
……ああ、わかってる。後の祭りだ。
そして、
「アイテム一杯でよー、ちょりーん」
長期戦が予想されるクエストに砥石を忘れたちょりの言い訳がコレであり、そして、
「ハチミツ無くてよー、ちょりーん」
長期戦が予想されるクエストに回復薬Gを忘れたちょりの言い訳がコレだ。
どうやって砥石も回復薬Gもなくてアイテムポーチが一杯になるんだ。そんなんで一体どうやって長期戦を乗り切るつもりだ??
ああ、瞬殺されて長期戦じゃなくなるわけね、なるほどなるほどよし馬鹿か?
だが、俺も鬼ではない。
砥石やら回復やら、仲良く半分こしてやることを約束し、経験上、もっともレイアの潜んでいる可能性が高い巣穴目指してツタを登り始めた俺の体が下からの打ち上げ爆弾によって吹っ飛ばされる。
「気合入れてやったぜー!ちょりっす!」
まさかその「ネタ」の打ち上げ爆弾のせいで砥石とか入らなかったのかおい。
仏の顔も三度までという言葉を思い出したが、俺は鬼ではないが別に仏でもないことも思い出し、ちょりちょり笑いながら登っていくちょりに砲撃で同じように気合を入れ返してやったのが、半刻ほど前のこと。

そして現状はといえば、俺達は大いに苦戦している。
リオレイアにボロボロにされながらも、何とかキャンプまで戻ることが出来た。だが。
回復も砥石も尽き、もはや打つ手は無い。
残された道は、潔く死ぬか、尻尾を巻いて逃げ帰るかの二つ。
俺達に出来ることといえば、クエスト失敗の言い訳を考えることくらいしか残されていない。
リオレイアが強いのか俺達が弱いのか。そんなこと考えても、後の祭りだ……ゴホッゴッホ。

では話を少し戻そう。

ちょりの「バカぢから」をすでに味あわされていた俺は、一体ちょりはどれほどの使い手なのか、まさか自分よりも強いのではないか?と、内心ヒヤヒヤし、緊張していた。そこを打ち上げ爆弾で気合を入れられたのは既に話した通りだ。
ところが始まってみると、実際のところ、ちょりの「ハンマー」はそれほどの技術ではなかった。ほっと胸を撫で下ろした俺は、余計な緊張が抜けて普段どおりにガンランスを使いこなす。レイアの高い攻撃力にも、俺の自慢の防具はなんとか持ちこたえた。
「お前、うまいなー」
ちょりにも遂に言わせしめた。おうよ!やっと目が覚めたか!ナメんじゃねえッ!!
しかし、ちょりの腕前が普通ということは、このクエストの行く末に暗雲が立ち込めることを意味する。
ちょりの防具はあからさまに安物であり、レイアの攻撃を受ければひとたまりもないことは明白だ。ちょりも分かっているらしく、リオレイアから距離をとり、俺の後方で、なにやらうろついているのが気配で分かる。まあ、そうそう攻撃できないのが当然だろう。責めることは出来ない。
だが攻撃しないことには、目の前の飛竜を倒すことが出来ないのもまた事実。つまり、俺が何とかしなければ、このクエストは失敗する……!!
脳裏によぎる不安と、肩にのしかかる責任と重圧。俺は再び緊張し、動きが固くなる。
突如方向転換し、眼前に迫るリオレイアに反応が一瞬遅れた。しまったと思ってもあとの祭りだ……終わったッ……。
刹那、俺の体を吹き飛ばしたのはリオレイアではなく、足元に置かれた小タル爆弾だった。
「お前が挫けそうなときは!俺が小タルを置いてやる!!」
いつの間にかちょりが置いたのだ、ヤツに助けられたと遅れて理解し、体勢を立て直しながらちょりを睨みつける。そして見た。
「目は覚めたかよ?」
リオレイアが攻撃目標を変更し、棒立ちのままニヤリと笑うちょりに突っ込んで行く。馬鹿ヤロウ!俺を助けて自分が死ぬつもりかッ!
だがヤツはそんなタマじゃあなかったのを思い出す。リオレイアとヤツの間には、なんと「大タル爆弾」が既に置かれていたのだ。
「食らえッ!ちょり-んッ!!」
ちょりが投げた石ころが起爆剤となり、轟音とともにリオレイアの鼻先で大タル爆弾が爆発した。さしものリオレイアも悲鳴を上げる。なんと、何度も攻撃しても傷一つつかなかったリオレイアの頭部の硬い鱗が砕けたのだ。ってか、石ころも持ってんの!?
なるほど、そういうアイテムを持ってれば、ポーチもいっぱいになるわな。
「すげえ」
今まで、己の体と武器ひとつで戦ってきた俺は、大タル爆弾の威力を侮っていたのも事実だった。まさかあそこまで威力があるとは……。
しかし、威力は高いが大タル爆弾は食らわせるのが難しい道具だと聞いている。すごいというなら、それをあそこまで綺麗に食らわせた(しかも、俺の足元に小タル爆弾まで置きながらだ)ちょりの実力もかなりのものだろう。認めたくはないが。
しかも、大タル爆弾を食らわせて、一旦距離をとるかと思いきや、ヤツはそのまま、ハンマーを振り上げ、猛然とリオレイアに突っ込んで行ったのだ。あの防御力で!
「ちょりいいいいいいぃんッッ!!」
力を溜めたちょりの一撃が、怯んでいたリオレイアの翼爪を破壊した。
そう、奴は全く恐れてなどいなかったのだ。防御力などお構い無しだったのだ。
俺は完全に奴を見くびっていた。
敗北など恐れず、死をも恐れず、爆弾とハンマーで突っ込んで行く。
「っは!ほんとに爆弾みてえな奴だな」
自然と笑みがこぼれた。あれこれ悩んで考えていた自分が馬鹿みたいだ。もうすでに、腕相撲の敗北や、馬鹿にされたことなど、どこかへ吹き飛んでいた。
俺はそのとき、ただワクワクしていたのだ。
ちょりは畳み掛けるがごとく、ハンマーを大きく振りかぶり、リオレイアの頭部目掛けて振り下ろした。だがその一撃は空を切る。
ハンマーを避けるような動きで頭を上げたリオレイアは次の瞬間、怒りの咆哮をあげた!
耳を劈くその大音量に、ちょりは完全に固まる。俺も咆哮を避ける時間は無かった。
「うおやべえ!やっべえちょりーん!」
固まり、叫ぶちょりにゆっくりと狙いを定めながら、リオレイアが一歩後ろに下がる。毒を持つ尻尾を跳ね上げる気だ。あの尻尾の一撃は強烈だ。まともに食らえばちょりの安防具は羊皮紙のごとく引き裂かれ、一撃であの世行きだろう。よしんば辛うじて持ちこたえたとしても、猛毒により結果は同じ。
だが、レイアの尻尾も空を切った。俺が横からちょりに砲撃を食らわせて吹っ飛ばしたためだ。そう、忘れてもらっちゃ困るが、俺の防具はちょりの安物と違って「耳栓」のスキルも備わっている。
「コレで貸し借り無しだ」
「ああ、サンキューちょりちょり!」
リオレイアは恨めしそうにのどを鳴らし、口からは黒煙が漏れている。相当頭にきているようだ。
「おい、爆弾はまだあるんだろ?」
「もちょりんだぜ」
「その言葉の意味は良く分からんが、ともかく俺がひきつける!お前は隙見てどんどん爆弾置け!」
「了解ちょりちょり!」
俺達の歯車はガッチリと噛み合い、リオレイアをしばし翻弄した。
爆弾さえ食らわせていけば、いかに体力の高いリオレイアだとて、倒せる!無謀と思われたこのクエストにも希望が見えてきた。
それもこれも、すべてちょりの力だ。もはや俺は完全にちょりという男を認めていた。

順調に行くかに思われた戦いだったが、全てを予想しきることなど到底出来はしない。
飛び立ったリオレイアを追って洞窟の外に出てみると、なんと、外は雨が降っていたのだ。これでは爆弾を食らわせることが出来ない。おまけにそこは砂浜で、リオレイアの部下のように、ヤオザミまでがうろついていた。
そして……。最初のシーンに戻る。

まあ、書いたように要因は色々あるが、俺達はピンチを迎えていた。一度また洞窟に戻ったリオレイアに爆弾をしこたま食らわせたが、倒すまでに至らず、ちょりの起爆用の石ころまで底をついてしまったのだ。回復も砥石も既に無く、食料すら満足ではない。クエストの制限時間も迫っていた。
「リタイアしかないな」
俺は悔しさを押し殺してその言葉を口に出す。そんな俺に気合を入れたくてもちょりも、もう、小タル爆弾は持っていないはずだ。クエストをリタイアし街へ帰る為に、船に乗り込んだ俺は、次の瞬間、またもや「空中を二回転していた」。
小タルがないと安心していたら、今度は思いっきりハンマーで殴りあげられたのだ。予想していなかった俺はしこたま砂浜に打ち付けられる。
だが、今のでひとつ分かった。
コイツはこの期に及んでまだ、諦めていない。
ちょりが諦めていないのに、俺が弱音を吐くわけにはいかない。
こいつとなら、まだなにかやれる!と、そう思わせる。こいつはそんな奴だ。
おれはちょりを見上げ、尋ねる。
「よし、じゃあどーするよ大将!!」
するとちょりがこう応えた。

「どーしようか船長!!」

……船長?え?なにが?俺が?なんで船長?

そう、まぎれもなくこの時から、俺は船長と呼ばれるようになり、そして船長と呼ばれていたがために、チームを立ち上げる際、「海賊団」と銘打つことになるだが、
……それはまだ先の話だ。
とにかく、俺を船長に担ぎ上げたのは誰であろうこの男、ちょりなのだ。

ボロボロになりながらもちょりは言う。
「実は大タル爆弾はまだ残ってるぜ、ちょりーん」
「でも、起爆できないだろう。この体力で爆弾蹴ったら間違いなく自分が死ぬぞ」
確かに切れ味の低下した武器では、勝機は一切望めない。勝つためには大タル爆弾しかないのだが……石ころも小タル爆弾も既に無い。
「フフフ、起爆ね……」
ちょりはニヤリと不敵な笑みを浮かべて俺を睨み、そして-ビシッとこちらを指差した。

「船長!それはお前がやるんだよッ!!」

砂浜と洞窟を行き来するリオレイアを洞窟で待ち伏せた。時間的にもこれが最後のチャンス。計算どおり降り立ったリオレイアをちょりの「角笛」が呼び寄せる(角笛も持ってたとは……)。
「行くぞ!最後の爆弾だッ!」
「あとの祭りになる前に!今こそ祭りだッヨーホー!」
こちらにすさまじい形相で走り寄るリオレイアに、注意深くタイミングを合わせながら、俺は、必殺技「竜撃砲」の起動スイッチを押す。迷いは無い。眼前には迫り来るリオレイアと、そして、ちょりが設置した最後の二つの大タル爆弾。失敗すれば俺もちょりも死ぬだろう、後は無い。
「食らえやあああああッッツ!!?」
全力を込めて撃ち出すガンランスの銃口から火焔が勢い良く噴出し、リオレイアと、そして大タル爆弾を包む。刹那、大タル爆弾の炸裂音が重なる。あたりに爆煙が立ちこめ、一瞬視界が狭まった。しかし次の瞬間、その爆煙の中から現れたのは、まさに俺を噛み殺さんと大きく開いた竜の顎!まだ!死んでいない!だが、俺の鼻先を掠める勢いで繰り出されたちょりのハンマーの最後の一撃が脳天を捉え、ついに、ついに俺達はリオレイア討伐に成功したのだった。

そして-

それ以来、ちょりと俺は仲間になり、様々なクエストを共にした。
遥か昔の出来事だが今でも全て、鮮明に覚えている。

「船長、腕相撲マジよえェーなァ!ちょりーん!」

ちょり、今の「ボマーズ海賊団」を、お前に見せてやりたかった。
良い奴ほど先に死んで、どーでもいい奴ほど生き残るもんだ世の中は。

結局、それからちょりが俺達の前から姿を消すまで、一度も、
お前に腕相撲で勝てたことは、無かったなァ。

心残りといえば、それくらいが心残りだ。


つづく。
[PR]
by bombers-pirates | 2007-12-25 02:35 | ボマーズヒストリー
第1話 「爆弾のような男」
人に過去あり、モノに謂れあり、ボマーズ海賊団に歴史あり。
この世の何事もいきなり存在しているわけではない。
帆を進める大海も、もとをただせば遥か山野に降り注ぐ一粒の雨粒であるように、森羅万象何事にも始まりがあり、そして、始まったものには必ず終わりがある。世界に果てがあるように。ラムの瓶が空になるように。
例外は無い。
あるのは、早いか遅いか、という程度の微々たる違いのみ。
さて。
力強く明るく輝くローソクが、ひときわ早く燃え尽きるように、
例え彼らの活躍が、その輝きゆえとても短く、ほんの刹那で終わりを迎えるとしても。

それでも始まりを語らずに、終わりは語れない。

森羅万象全てがそうかは知らないが、物語とはそういうものだ。
では行こう。
これより語るは、ボマーズ海賊団始まりの物語。
誰もがまだボマーズ海賊団ではなく、ドンドルマがまだ活気に溢れていたあの頃、何かが始まる予感で狩人たちの心は満たされてはいるものの、それゆえに、何も始まっていない、そんな時代に生きたひとりの「男」から物語は始まる。
しかし、断っておくがこの男、現代に生きるボマーズ海賊団の船員の誰でもない。
森羅万象全てがどうかは知らないが、物語とはいつも、少し意外な所から始まるものだ。

247、****THC、そしてちょり。
彼を呼ぶ名はいくつもあれど、皆に知られるその風貌はいつも大体、同じようなものだった。
言ってみれば金も素材もろくにいらない駆け出し防具。そして、攻撃力だけが多少まともな安ハンマー。
生まれた地方の村で長い間腕を磨き、経験を積み、準備万端、意気込み勇んでこのドンドルマへやってきた俺とはまったく正反対ということだ。
……正直俺が月なら、さっきからテーブルの向かいで際限なく酒をかっくらっているこの男は間違いなくスッポンだろう。
「まったく、ついてねえ……」
俺は深く被った鍔広の帽子の下で悪態をついた。
小さな個体とはいえ、伝説とまで言われる「姿を消す古龍」の素材で作り上げた自慢の防具は、俺の気配を希薄にする機能を備えている。つい出てしまった悪態も、男には聞こえていないだろう。……酔っ払ってるし。
たしか、「ちょり」とかいう名前だったか。ふざけた名前通りのふざけた野郎だ。
「おい、黙っちゃってよォ!もう酔っ払ったのかァ?」
「……飲んでねえよ」
赤ら顔でハンマーに寄りかかりながら、ちょりが話しかけてきた。
装備も、その狩人の強さを表す指標である、ギルド認定の格付け「ハンターランク」も明らかに上の相手に向かって、ちょりは出会った瞬間から臆すことなく話しかけてくる。
街では一歩間違えば礼儀知らずの烙印を押されかねないその態度も、ちょりの道化のようなふざけた見た目が手伝ってか、不思議と腹は立たなかった。
生まれ持った才能なのか、それとも、ただ単に神経が図太いだけなのか。
「おいィ、まさかお前ビビッてんのかあァ?……ヒック。ダセェー」
確信した。間違いなく後者だろう。
「ビビッてなんかいないって。ただ、二人じゃあ倒せるかどうかわからないだろ?」
「やってみねェうちからそうやってあれコレ考えてんのがマジビビッてるッつゥのー。まさかその武器得意とか言ってたのも、全部嘘かァー?マジダセェー」
ちょりは俺の背中の、巨大な武器を指差した。フラフラして指の位置は全然定まらないがおそらく指差した。
「おい……。今ここで試してみるか?」
俺は背中のガンランスと呼ばれる中折れ式の銃槍を引き抜く。重たい金属音が大衆酒場に響き、槍の先端の銃口がちょりを捉えた。
今回の一言は、さしもの俺も気に障った。狩人という職種の人間は大体がそうだろうが、元来俺も温和な方ではない。
何よりこのガンランスは俺のお気に入りの武器だ。これもまた、奇跡的に討伐に成功した「ナナ・テスカトリ」という「古龍」の素材から作られた逸品で、ナナ・テスカトリの体色と同じ綺麗な蒼色が塗られた銃身には、強い火力を備えている。
ガンランスは、ギルドにより最近考案された新しい武器らしく、扱うのにクセがあり、街ではガンランス使いの狩人はまだ珍しいようだった。
威力は高いものの、砲撃の際に仲間を巻き込んでしまうこともあり、そもそも新入りにふさわしい武器ではない。「ガンランスお断り」と仲間募集の用紙に書き込んでいるチームすらあるほどだ。
だが俺は、ずっとこの武器のみで狩りを続けてきた。この街でそれが敬遠されていようと他の武器に乗りかえるつもりも無い。
経験と、誇りと、街の新入り狩人の誰よりもガンランスを上手く扱える自信があった俺は、堂々とガンランスを背負って今回のクエストを受注し、そしてちょりは、そんな「変わり者」のガンランス使いの実力の程が見たいという理由で俺の募集に乗ってきた、というわけだ。
加えて言えば、ちょりのほうは最初やってきたとき、なんとほぼ全裸だった。頭に「ネコの顔を模した」着ぐるみのような風変わりな防具(?)だけを着けていたものだから
「こいつ、頭がおかしいのか?」
と、俺は本気で思ったものだ。どうせ、あんな着ぐるみにたいした機能も無いだろう。
追い返そうとしたのだが、装備は他にもちゃんとあると言い張るので、多少期待して着替えを待ってみたところ、これも取るに足らない安物装備だったというわけである。
そして、そんな二人組みだからなのか、俺の張り出した募集に乗ってくる狩人は、それ以上、誰一人として現れなかったのだ。
それとも、獲物が「リオレイア」だということも関係あるのだろうか?
リオレイアは、俺も何度か倒したことのある飛竜だ。確かに高い攻撃力と灼熱のブレス、くらえばどんどん体力が奪われるという、厄介な「毒」を体内にもつ恐ろしい相手だが、古龍に比べれば、まだ楽に討伐できる獲物だ。
だが、それは俺の生まれた村近辺の地方での話。
街での幾度かのクエスト(初心者向け)を経験して、この辺りのモンスターが俺の出身地方とは比べ物にならないほど強靭だということは、ひしひしと肌で感じていた。
村では動きに注意すればたいして脅威にならなかったヤオザミですら、この近辺のヤツは異常に体力が高すぎて動きを止めることが難しい。散々てこずり、飛竜のブレスを機械的に模した「龍撃砲」といわれるガンランスの必殺技まで使って、やっと倒したのが昨日のこと。
村とここ、ドンドルマでは、同じ種類のものでも、全くの別モンスターと考えたほうが良いようだ。仲間を募って狩りに出かけるというシステムがあるのもうなずける。
まして、飛竜リオレイアともなれば……、
少なくともこんな弱そうなやつと二人で倒せる相手ではないだろうと俺は踏んだ。だからちょりが痺れを切らせて酔っ払い、俺に絡んでくるまで、クエストに出発しないで仲間となってくれる狩人の出現を待っていたのだ。実際のところちょりは飲まずとも最初から絡んできていたが。
まあ、もういい、ともかく。
さすがの俺もいい加減、火炎袋の……じゃなかった、堪忍袋の緒もきれたというもの。
リオレイアに食らわす前に、まずお前に砲撃を食らわせてやるよ、ちょり。

穏やかじゃない俺達の様子にさすがに大衆酒場はザワつき、空気が張り詰める。
だが、街を訪れたばかりの新入り狩人が集うように割り振られたこの酒場には、夜も遅いせいか、今は客が数人しかいなかい(そもそもこんな時間に募集を出したのが間違いだったと今気付いた)。
ちょりのちょうど後ろ側のテーブルには、本当かどうか疑わしい、たいそうな自慢話を肴に日がな一日中飲んだくれているだけ(しか、俺は見たことが無い)の「赤鬼、黒鬼」と呼ばれる二人組のハンターがいるが、もちろん、俺の素晴らしい装備に臆したのだろう、止めに入る気配は一切無い。なぜならあいつらの装備もまた、ちょりのそれと同様、素人が簡単に揃えられる程度の安価なものだからだ。自慢話の類もそれで簡単に嘘だと知れる。

殺気のこもった銃槍を突きつけても、ちょりの野郎はのんきにあくびなぞかまして余裕の態度だ。
俺は冷徹に冷静に、狙いをその間抜けに開けた口の中に定めた。腕を引き、槍を撃ち出す力を引き絞る。
「ちょっとぉ!街中での武器使用は禁止事項ですっ!」
酒場の給仕の女が勇敢にも俺とちょりの間に割って入る。その動きは意外なほど鋭いもので、反応できなかった。もしかしてこの娘もまさか、ハンターなのだろうか?
「ハァー。これだから新入りは困るのよね。地方でどの程度活躍したかは知らないけど、狩人の自覚ってものが欠けてるんじゃあないかしら?」
「くっ」
娘の動きに驚いていたのと、その言い分が確かにもっともなのとで、俺は一瞬言葉を失う。そしてそんな俺の様子を見て、なんと娘の向こうのちょりが「シシシ」と笑いやがったのだ!
もォォォォォォッ許せんッ!死ねェえェッェェェ!!
「ちょっと待ってってば!」
娘のまたもや予想外な威圧力のある大声で、俺の動きは再び止められてしまった。なんなんだクソッ、少しは言い返してやる!
そう思って娘の顔を睨みつけると、娘は今度は打って変わって満面の笑みをうかべて俺を見つめ返してきたのだ。三度、止められる。……ただモンじゃねえ。
「どうしても決着つけたいなら、あちらで」
娘が優雅な仕草で向けた手の方向には、一つの大タルがおいてあった。その意味は明らか、腕相撲で決着をつけろということらしい。
娘に馬鹿にされている気持ちはもちろん感じたが、もっと俺のことを馬鹿にしているヤツがその向こうで相変らず笑ってやがるのを早急に何とかしようと俺は決めた。
それに腕相撲というのは、狩人同士の力比べとしてよく行われる、正式な勝負の場でもある。
俺も、ガンランスを使うくらいだ、もちろん力には自信がある。村では2倍以上はあろうかという体格差の船大工の親方を負かした経験もあった。

ちょりめ、笑っていられるのも今のうちだ、腕の骨折の痛みで泣き面かくなよ?かくのはほえずらが正しいのか?もう怒りでよく分からん。


「じゃあ両者、条件は?」
タルに向かい合った俺達に娘が聞く。
いつのまにか酒場の空気も、俺達の勝負を肴に一杯飲もうという様子に変わっていた。賭けをしている声も聞こえる。赤鬼と黒鬼は、どっちも俺に賭けたようだ、当然だろう。
あいつらに儲けさせるのは悔しいが、賢明な判断だ。
「酔っ払いに勝っても嬉しくないが、俺が勝ったら、さっさと此処から消えてくれ」
俺はクールにちょりに言い捨てた。歓声が起こる。ちょりの様子はと言うと、目の焦点が定まってねえ。野郎聞いてんのかァ?
「じゃああなたが勝ったら?」
酒場の娘が向こう側へ倒れそうなちょりの袖を掴んでタルに引き戻した。女にも軽く引っ張られるほどのその細腕を、思いッ切りブチ折る未来の俺の映像が脳裏に過ぎる。
今まで気付かなかったが、俺にはどうやら予知能力があったらしい。
「もちろん……ヒック、ウィィ」
早よ言えこの酔っ払い。
「俺が勝ったら、俺達二人だけでリオレイアを討伐だァー!」
……。またそれか。酒場の歓声は一際大きなものになった。死にに行くような条件を自分で出したちょりを笑っているに違いない。
「困難な相手に立ち向かうほど、ヒック、燃えるだろォー??ちょりーん!」
勇気と無謀を履き違えているとはこの事だろう。
間違いなく早死にするタイプだなお前、なにがちょりーんだアホか。
だが、今回は安心しろや、どんなにアホがアホな条件を出しても、それは実現しないと俺のキングクリムゾンエピタフが言っている。何の話だ?
「よーし、じゃあいいわね。READY……」
ようやっとタルに肘を乗っけたフラフラのちょりの手を俺は思い切り握ってやる。おい、勝負はすでに始まっているんだぜ?このまま先に手の平の骨を折ってもいいなフフフ。妄想を膨らませながら握力を強めていっても、ちょりの右手は相変らず、全然力がこもっていない。どこまでも舐めたヤツだッよーし死ねッ!腕相撲ではじめて人を殺すぜ!!

「FIGHT!!」

娘の掛け声に覆いかぶさるように酒場中から歓声と怒号が響く。
その声を脳のどこかで聞きながら俺は、溢れんばかりの怒りと渾身の力の全てをちょりの右腕の尺骨めがけてねじ込みながら「空中を二回転していた」。

そして一時間後、俺達二人は約束どおり、リオレイア討伐へと出発したのだった……。

つづく。
[PR]
by bombers-pirates | 2007-12-21 00:06 | ボマーズヒストリー
MOVIE INFORMATION NEW MOVIE

[通常盤]「Now On Sale!!」
TOCP-66380/¥2,548(税込)

[DVD付 初回生産限定盤]
「Now On Sale!!」
TOCP-66381/¥3,500(税込)

NEW SINGLE
WMP HIGH LOW
REAL HIGH LOW
OFFICIAL SITE
海外オフィシャルサイト
http://www.gorillaz.com/
日本オフィシャルサイト
(PC&携帯共通)
http://toemi.jp/gorillaz/
excite MUSIC